2011年06月22日

ストラデヴァリウスと歌

12億7500万円!ーーヴァイオリンの名器として名高いストラデヴァリウスを所有する日本音楽財団がロンドンで競売に出し、その落札値である。全額、東日本大震災支援に当てられ、ストラデヴァリウスの過去の最高値の4倍の値段だそうだ!!−ストラデヴァリウス(1644〜1737)はクレモナで工房を開いた名匠だが、アマテイを師にし、同時代にグアルネッリという弦楽器制作の巨匠がいる。このクレモナの人たちが名器を作成した頃は、オペラが商業都市ヴェネツィアで大発展を遂げ、ヴィルトウオーゾ/名匠、という代名詞を貰ったカストラートたちがそのセックスを代償に得た華麗な歌唱テクニックでオペラ座の人気を浚っていた時代。ストラデヴァリウスたちは名楽器制作のために貸カストラートなど名人の歌唱技術を学び、それを取り入れて弦楽器をつくった。ーー素質のありそうな声変わり前の男の子を去勢し創った、人工の女声をカストラートという。−−だから、ヴァイオリンもヴィオラもチェロもコントラバスも、みな、人体と同じように、弦を弓で擦る箇所、人体では二枚の声帯を擦る喉、が中心になり、そこで発した音、人体では声、を上部の反響体、
人体では頭部、と下部の反響体、人体では胸部、に響かせるように弦楽器を創ったのである。−−ちなみに幾ら楽器が高価でも弾く人の腕が悪ければロクな音は出ないように、いくら去勢をしても、訓練をさぼっていては、ろくな歌声は出てはこなかったのも同じである!
posted by opera-okamura at 21:57| Comment(0) | 日記

2011年06月15日

高校生も楽しんだプッチーニのオペラ

新国立劇場のオペラ「蝶々夫人」公演を本日鑑賞してきた。僕の後列に高校生らしき生徒の群れが陣どり、開演前の客席はいつもにはない騒音に満ちる。グループ鑑賞はいいが、マナーは守れ!開演後もこうならたまらないから注意しようと構えていたら、序奏が始まるとぴたりと静まった。幕が下りると彼らの間からブラボーの嵐。プッチーニの音楽に酔った大人と一緒に彼らも興奮を禁じられなかったようだ。ーーこの頃の若者向けの音楽とはまったく異なる、イタリアオペラという芸術を彼らも堪能したことを知り、オペラの将来も悲観することはないのかと、老歌手は胸をなでおろした次第である。
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2011年06月11日

歌手の良い悪い

「あら、先生ーー。こんなことお聴きして失礼でしょうか!−−この歌手はいいのですか、悪いのですか?」ーー見ず知らずの中年女性が音楽会場での休憩中に僕に尋ねてきた。ーー僕も先生と言われる年齢になった。ーー「貴方がお好きならいいのではないでしょうか。嫌いならべつですけどーー」。なるべくその方の感情を傷つけないように僕は答えた。「又か!」という感じだった。歌にいい悪いはない。あるのは好き嫌いだけなのだ。なんだか解らなく退屈だったら、その人は多分嫌いなのだ。解らなくとも好感が持てたら多分良いのだ。自分で足を向けた音楽会なら好き嫌いは自分で決めたらいいのだ。
posted by opera-okamura at 11:40| Comment(0) | 日記